条例の基本方針
地域共生社会に必要な人材の育成
この基本方針における「人材」とは、豊かな想像力や発想力、地域に対する熱意をもって様々な人や機関と連携しながら地域福祉活動を行う人、専門的な知識や技術がなくても地域を大切に思い、地域の福祉に興味関心を持ってくれる人のことを指しています。
あらゆる人がこうした「人材」になれるきっかけが作れるように、学生や社会人、シニア世代等の ライフステージに応じた出会いや学び、特技を活かす実践の場づくりを地域で進めていきます。
出会いと学びの場づくり取組み紹介
地域共生社会づくりについての意識の啓発
大きな災害が発生したり、感染症の拡大や、経済情勢の悪化などで、突然これまで生活が大きく変化し、支えられることが必要な状況になることがあります。
自分を支えてほしい時に、誰に頼れるのか、あるいは今後、自分や家族、親しい人のために何を備えておくべきか、健康づくりや、地域の現状とこれからを想像し、必要な対策を考えるきっかけづくりを進めます。
住民等への啓発紹介
地域共生社会をつくるための地域活動を創出
地域住民が感じている暮らしの中の困りごと、あるいは福祉やまちづくりへの興味関心をキャッチし、住民同士で共有し、共感を生み出し、活動を起動するため、地域住民が自分のまちについて考える協議の場づくりを地域で進めていきます。このために多様な人・機関が連携できるようコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を配置し、活動が様々な場所で生み出されるようにコーディネートしています。
また、ホームページ、SNS、市役所のスペース等を積極活用し、地域で生み出された活動や、活動が生み出されるまでのプロセス、その成果(住民の意識の変化など)を発信し、市内の様々な場所で取組みが展開されていく好循環をつくります。
CSW と地域が協働した取組み紹介
地域共生社会をつくるための社会環境の整備
暮らしの中の困りごとの解決に向けた活動の推進にあたっては、行政や社協だけでなく、企業、NPO、社会福祉法人、医療法人(以下「事業者等」)なども地域貢献活動等によって参画し、多様な主体の協働によって地域での暮らしが充実していく好循環をつくります。こうした取組みの推進は事業者等にとって、これまで以上に住民からの認知度が向上していくという利点があります。また住民にとっては地域の課題やニーズに住民の力だけでは実現が困難な場合に、強力なサポートとなります。こうした地域の資源とニーズがマッチングする環境づくりを進めます。
住民のニーズと地域資源がマッチングした事例
「西条北つながるBOOK」
地域の福祉・医療機関の専門職が、地域サロン等の場においてその技術や知識を、講座として住民に広げていくためのメニューブック。サロン行事の活性化だけでなく法人の地域貢献活動の促進、人材不足がすすむ福祉・医療専門職の育成につながっている。
地域共生社会をつくるための施策推進体制
① 多分野で協働して制度の「すきま」を埋め、地域から孤独や孤立をなくしていく取組み
各分野で協働して支援の幅を広げる検討を重ね、「制度のすきま(※)」を埋めて支援を届けることによって、地域から孤独や孤立をなくしていく取組みを進めます。
(※8050、ひきこもり、ヤングケアラー、災害時要支援者など、現行の制度で十分に支援が行き届いていない課題)
② 地域共生社会推進本部の設置で全市的な取組を展開
市長を本部長、副市長及び社会福祉協議会会長を副本部長とする地域共生社会推進本部を設置し、全市的に取り組むべき地域の重点課題の抽出や、論点を整理し市の部局が一体となっての合意形成を図ります。
③ 専門窓口を設置し、制度の狭間、困難ケースへの多機関協働による対応を推進
市役所内に福祉の総合相談窓口HOT けんステーションを開設しています。ここでは、制度の狭間となる人や複合課題を抱える世帯への支援方法について多機関で連携して対応するための調整会議や地域調整により伴走型支援を行います。
④ 世代や分野を問わない身近な相談窓口への発展
市内の各日常生活圏域の福祉専門職が、日頃からつながり、地域の情報連携を行える体制整備をすることで、どの窓口でも相談の一時受付と関係機関への丁寧なつなぎができるように、福祉専門職のネットワークづくりを進めています。この取組みは市民にとってのメリットだけではなく、専門職にとっても自分の職域・分野を越えて世帯を支援するという視点を得ることができ、人材育成にもつながります。