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新規活動団体の立ち上げストーリー

こども食堂 ふるさとカフェ キッズ プレオープン

豊栄のこども食堂がいよいよ始動
「ふるさとカフェ キッズ」プレオープン

皆が待ちわびたこども食堂がお目見え

6回の定例会とメニューの打ち合せ会を経てプレオープンへとこぎつけた、豊栄町のこども食堂プロジェクト。2024年1月28日(日)に、「ふるさとカフェ キッズ」として記念すべき初開催を迎えました。11時半~13時までの時間を予定し、参加費はこども100円(3歳以下無料)&大人300円。定員18名を設けましたが、満席の賑わいを見せました。

開催場所である「カフェ ミルメルシー」には、代表の舛木幸子(ますき ゆきこ)さんと、鹿田千鶴子(しかた ちづこ)さん、主要メンバーが朝8時から台所に勢ぞろい。山と盛られた食材を前に、手際よく調理を進めていきます。熱気がムンムンと立ち込める中、「これ、もう少し甘く味付けしたほうがいいんじゃない」「お子さんもいるから、もうちょっと小さく切ろうよ」と、細部までこだわりながら作業を行います。

高校生ボランティアがお手伝いとして参加

おもな運営メンバーは、舛木さんと鹿田さんのほか、元給食調理員だった浅井友枝(あさい ともえ)さん、地域の健康づくり推進委員として活躍する末光典子(すえみつ のりこ)さんと廣川比志子(ひろかわ ひしこ)さん、地域おこし協力隊員の陣内綾(じんのうち あや)さんです。さらに嬉しいことに、この日は賀茂北高校の生徒さん2名がボランティアとしてお手伝いに入ってくれました。
1年生の勝坂華凛(かつさか かりん)さんは、「夏に別のボランティアをしたことがあったのと、家が近所だったので先生が『やってみないか』と声をかけてくれました。もともと人と話すのが好きなので、今日も楽しみです」と、にっこり。また同じく1年生の有原千夏(ありはら せな)さんは、「豊栄町にこども食堂ができるのは嬉しいです。これからもっと人数が増えていったらいいなと思います」と、笑顔で話してくれました。

共に話し合いを重ねてきた、まちの職員の声

また、プレオープンまで共に話し合いを重ね、当日もスタッフとして参加した東広島市や社会福祉協議会の職員の姿も。普段、市豊栄支所の保健師として勤務する丸岡真子(まるおか まこ)さんは、「これまで主任児童委員を務める舛木さん鹿田さんと共に、赤ちゃん訪問などを行い、豊栄町の子どもがどんどん減ってくるのを肌で感じてきました。舛木さんの『子どもたちは地域の宝』という言葉に深く賛同し、自分にも何かできればと、この活動に関わらせてもらっています。こども食堂は、子どもはもちろん、大人も一緒に集える場。まずはお母さん自身がここで息抜きをして、ほっとしたり、元気になってもらえると嬉しいです」と話します。

社会福祉協議会豊栄支所のコミュニティソーシャルワーカー兼生活支援コーディネーターとして、豊栄に暮らす人たちの困りごとを手助けしてきた原風汰(はら ふうた)さんは、「こども食堂が目に見えてかたちになっていくことに、私たちもワクワクしました。豊栄町は地元ならではの助け合いの風土があります。これからも、地域住民の皆さんと一緒に、このような新しい取組みにどんどんチャレンジしていきたいです」と、語ってくれました。

地域食材たっぷりのご飯を皆でいただく幸せ

スタート時間の11時半になると、続々と参加者が到着。親子で参加、いとこや友人と参加など、さまざまな顔ぶれです。スタッフに到着の旨を告げたら、おのおのが好きな席に座って配膳を待ちます。カフェの温かい雰囲気も相まって、皆さんニコニコと楽しそう。
この日のメニューは、エッグインミートローフとホウレンソウの胡麻和え、白菜の塩昆布和え、パインスイートポテトをワンプレートに。温かな白ご飯と具沢山のクリームシチュー、おやつのミカンまでついて盛りだくさんです。運ばれてきた食事を見て、「わぁ、美味しそう!」「ボリュームがあるね」と、あちらこちらから歓声が上がります。待ちきれなくなったお子さんには、「食べていいよ」とスタッフが声をかけます。

食材提供という温かな支援を受けて

今回のこども食堂の食材については、多方面から温かな寄付が寄せられました。例えばシチューに使った牛乳は「トムミルクファーム」さんから、エッグインミートローフの卵は「高光養鶏場」さんから。そのほか、「パソコンのコムショット」さん、「岡田農園」さん、地域の農家の方たちからも野菜などの食材が届けられ、これだけ品数豊富な食事を作ることができました。
お願いに上がった時のことを振り返り、「皆さん本当に気持ちよく協力してくださり、大変ありがたかったです」と舛木さんは話します。

会話と笑顔があふれる賑やかな食事に

ある程度人数が揃ったところで、舛木さんからこども食堂に寄せる思いや、食材提供してくださった方たちの紹介を交えて、皆さんにご挨拶。その後、賀茂北高校の生徒さんたちが「いただきます」のかけ声を行い、食事がスタートしました。
皆さん美味しそうにご飯を食べながら、あちらこちらで楽しそうな会話が飛び交います。「この白菜の和え物、美味しい!何が入ってるんですか?」とレシピを尋ねたり、「もうすぐ受験よね。頑張ってね」と、中学生に向けたエールを送ったり。早々と食事をすませたお子さんは、絵本を読み始めたり、おもちゃで遊んだりと、自由な時間を満喫しています。

参加者の方に話を聞いてみると、「知り合いに誘ってもらって参加しました。食事がワンプレートに盛り付けられていて、食べやすくていいですね。子どもも大喜びです」という声や、「普段は育児に追われているので、ちょっと手抜きして誰かの手料理を食べさせてもらえるのでありがたいです。今日も事前に『お子さん見とくからゆっくり食べて』と声をかけていただき、おかげでのんびり食事ができました」という感想が寄せられました。
また、おばあちゃんが運営メンバーの1人だと話すある親子連れは、「おばあちゃんが頑張ってる姿を見て、子どもたちも嬉しかったみたいです」とほほ笑みます。

誰でも集えるこども食堂を地域の拠点として

その後は思い思いに自由な時間を過ごし、13時を目途に解散となりました。
初めての開催を無事に終えることができた舛木さんと鹿田さんは、「予算の問題や、まだまだ不安なことはあるけれど、皆さんのおかげでとりあえずプレオープンを終えることができました。今後は、高齢者の方にも気軽に来てもらえるような、誰でも利用しやすい場所を目指していきたいです」と、決意を語ってくれました。

2024年4月から毎月第4日曜日に豊栄保健福祉センターで開催する予定です。将来的には子どもから高齢者まで誰でも利用できる居場所をめざしています。また、この日開催場所となったカフェミルメルシーは少人数の親子連れを対象に不定期で予定しています。
舛木さん、鹿田さんの、地域を想う心と子どもたちを想う心が結実した、こども食堂プロジェクト。たくさんの仲間と力を合わせ、これからも彼女たちの挑戦は続きます。

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